お子さんの胃は大人に比べてくびれが少なく、細長くできており、胃の入り口にある噴門（ふんもん：食べ物の逆流を防ぐ部位）が未発達です。そのため、少しの刺激ですぐに吐いてしまうことがあります。乳児がミルクを飲んだ後、ゲップをさせずに寝かせると吐いてしまうのも、このような胃の形が原因です。
よく吐いてしまうお子さんでも、元気があり、体重が増えていれば何も問題はありませんので、ご安心ください。
しかし、嘔吐は他の病気が原因となっている可能性もあるため、吐いた後のお子さんの様子を注視するようにしてください。その後も繰り返し吐く・吐いた後も顔色が悪いというような場合は注意が必要です。

大人でも、嫌な臭いを嗅いだり、乗り物酔いをしたりすると吐き気を起こすことがあります。また「嘔吐反射」と言って、身体にとって危険なものや異物が胃の中に入ることで、防御反応として吐く場合もあります。
身体が受ける様々な刺激は、神経を介して脳の嘔吐中枢に伝わります。脳幹部にある中枢が深く関わっていることから、嘔吐や吐き気には大きな病気と関連している可能性が考えられるのです。頭を強く打った場合や脳に炎症が起こっている場合、インフルエンザ等で脳症を起こしている場合等、嘔吐は様々な原因によって起こります。嘔吐の理由がわからない、吐いた後の様子がいつもと異なるという場合は必ず受診をしてください。