滲出性中耳炎とは
滲出性中耳炎は幼稚園~小学校低学年ぐらいのお子様に多く発症します。
症状としては、耳に水が入った時のような耳が詰まった感じ(耳閉感)や、音の聞こえにくさが起こります。
急性中耳炎との大きな違いは、ズキズキとした痛みがあまり見られないことです。
痛みがないため、お子様が症状に気付きにくく発見が遅くなることがあります。
テレビを見る際にいつもより音量を大きくしていたり、問いかけに対して聞き取りにくそうにしている場合には滲出性中耳炎の可能性を疑いましょう。
こんな症状があれば急性中耳炎を疑いましょう。
□耳が詰まった感じ(耳閉感)がする。
□急に音が聞こえにくくなった(難聴)。
□痛みがない。または、痛みが少ない。
□お子様がテレビの音量をいつもより大きくしている。
□お子様が小さな声や音に反応しない。
滲出性中耳炎の原因
通常は耳と鼻や喉をつなぐ耳管を通して、鼓膜の内側の空気の入れ換えが行われています。
しかし、風邪などのよって耳管に炎症が起き、空気の通り道が狭くなると換気がうまく行えず、鼓膜にへこみが生じます。さらにこの鼓膜の奥に滲出液が溜まることで鼓膜がうまく振動できなくなり、耳が詰まった感じや音の聞こえにくさを引き起こします。
耳管が狭くなる原因は風邪などの炎症の他に、飛行機に乗った時などの気圧の差によって起きる(航空性中耳炎)ことや、 扁桃の肥大(アデノイド)による耳管への圧迫によっておこることもあります。
滲出性中耳炎の治療
鼻と喉の状態を改善することが必要になるため、内服薬や吸入(ネブライザー)を用います。
お薬は鼻と喉の症状の原因により、抗アレルギー薬や抗生物質を使い分けます。
滲出液の排出を促進するために耳管から空気を送る治療も行います。
聴力を回復させるために、局所麻酔をした上で、鼓膜に穴をあけて滲出液を除去します。
鼓膜は再生能力が非常に高く、穴は数日で塞がるためご安心ください。
滲出性中耳炎は一朝一夕に完治することは難しい疾患です。溜まっていた滲出液が完全に排出され、聴力が回復するまでは定期的に通院することが必要となります。
大変ではありますが、完治を目指して一緒に根気強く頑張りましょう。