のどの痛みとは
お子さまがのどの痛みを訴えると、まずは風邪(かぜ)を疑われることが多いでしょう。しかし、のどの痛みが強い場合、急性咽頭炎・急性喉頭炎・急性扁桃炎を発症している可能性もあります。その中でも喉頭炎は放置すると重症化のおそれがあるため、咳=ただの風邪と安易に考えないようにしてください。
のどには「咽頭」と「喉頭」という二つの部位があります。咽頭は鼻の奥~食道の入口部分のことであり、喉頭とは気管の入口部分のことです。さらに咽頭は上咽頭・中咽頭・下咽頭に分かれており、咽頭扁桃(いんとうへんとう/アデノイド)・口蓋垂(こうがいすい/のどちんこ)と、その左右にあるのが口蓋扁桃(こうがいへんとう)です。喉頭には声帯があり、主に発声する役割を担っています。
急性咽頭炎・急性扁桃炎とは
主な原因はウイルス感染(アデノウイルスやコクサッキーウイルスなど)や細菌感染です。細菌には、溶連菌と呼ばれるA群溶血性連鎖球菌やインフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは異なる)などが挙げられます。
ウイルス感染と細菌感染の違いは症状に表れます。
ウイルス感染の症状は発熱・せき・鼻水などがほとんどであり、風邪によく似ています。
その一方で、細菌感染では高熱が出ることはありますが、鼻水や咳といった風邪に似た症状はほとんどありません。
治療方法
お子さまの急性咽頭炎・急性喉頭炎・急性扁桃炎の大半はウイルス感染によるものであると考えられます。しかし、ウイルスそのものに対する治療薬はありません。発熱やのどの痛みといった症状は、解熱剤や鎮痛剤などの使用によって治療します。
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また、溶連菌(A群溶血性連鎖球菌)は稀に重症化することがあるため、検査の結果溶連菌と診断された場合は抗菌薬(抗生物質)の投与を行います。
抗菌薬(抗生物質)を処方されたら、一定期間はきちんと飲み切ることが重要です。症状が治まったからといって抗菌薬(抗生物質)を途中でやめてしまうと、リウマチ熱や急性糸球体腎炎という合併症が起こる場合もあります。合併症を防ぐためにも、医師から処方された量と期間を必ず守りましょう。